久々に、私の独断と偏見によるデッキ構築論について徒然なるままに書いてみようと思います。

今日のテーマは、カメックス。カメックスは一つ前の環境で猛威を奮い、大阪大会ではトップ3が全部占めるほどの強さを持ち、さらに、BW8環境で強力なグッズやポケモンのおかげで強くなってしまい、今では皆さんの人気者になりました。使われることが多いポケモンで、ジムチャレンジでは誰かしらが使っていますが、使われているのを見て、人によって構築が全然異なるのだなぁ~、と感じました。そこで、今回は様々なカメックスのデッキの分析してを行ってみようと思います。


(1)展開を助けるポケモン

 カメックスのデッキはまずは爆流を使えるようにゲームを展開する必要があります。主な手段はグッズやサポートで必要なポケモンをサーチ、または引き当てることですが、マルマインやロズレイドの特性によりカメックスを立てやすくなったり、通常以上に山札からカードを引きやすくなります。これらのポケモンが入っていれば、回しやすくなることは事実ですが、その分デッキのスペースを食ってしまうため、入れるかどうかは好みの問題ではないかと今のところ思っています。


(2)攻撃に使われるポケモンの考察

 カメクスのデッキでは、主にケルディオEX、ブラックキュレムEX、キュレムPsが使われていると思います。これらのポケモンはそれぞれ長所もあれば、短所もあるかと思います。この3匹のポケモンの長所を箇条書きで並べて、簡単にまとめた後に短所を書いてみました。

(a)ケルディオEX
・駆けつけるを使うことによって、入れ替えをスムーズに行うことが出来、さらに軽石を持たせていれば、誰とでも入れ替えられる。強い補助ポケモン。
・弱点が草のため、現地点では弱点を突かれにくく、耐久性もある。
・安定した攻撃力を持ちつつ、水エネルギーをつければつけるほど攻撃力が上がり、しかも制限なし。

 これらのことから、ケルディオEXは万能な活躍を期待できるポケモンだと思います。ところが、残りの2匹と比較すると攻撃効率が落ちたり、EXであるが故のリスクを背負う必要があります。また、水エネルギーの数だけ強くなる反面、ミュウツーEX、デオキシスEX、リーフィアからのカウンターを受けやすくなる短所もあり安易に張るのは危険を伴います。

(b)ブラックキュレムEX
・ブラックバリスタで簡単にEXを葬ることが可能。
・回収能力が強いため、繰り返し使っても問題なく回しやすくなった。

 このポケモンは、完全な対EXのアタッカーです。強烈な破壊力を持ち、カメックスのおかげで繰り返し200ダメージを出せる優秀な子です。しかし、カメックスがいなくなった途端に勢いは急激に下がり、異色を入れる必要があるため事故の引き金にもなり得ます。

(c)キュレムPs
・非EXのため、倒されても被害は大きくない。
・ベンチにもダメージをばら撒ける。
・安定した攻撃力を持っている。
・凍てついた町の被害を受けない。

 このポケモンは、非EXにもかかわらず、3エネ120ダメージと効率良く動け、ブラックバリスタのように剥がす必要がないため、割と安定して攻められると思います。ところが、ブリザードバーンは1回撃つと次は攻撃できないため、一人では安定ではありません。軽石を持ったケルディオEXか別のキュレムPsが欲しいところです。

 このように、各ポケモンはメリットもあればディメリットもあります。ただ、重要となってくるのは、どのメリットに重みを置いてデッキを組むかだと思います。次に、これらのことを踏まえてデッキについて考えて見ます。


(3)デッキの目的

 カメックスのデッキの面白いところは、特化したい特徴によって構築が全く変わってきて、その重み付けもプレイヤーによって異なる所だと思います。主に注目される特徴は、

・攻撃力
・耐久力
・安定性
・適応力
・特殊性

でしょうか。この5つの特徴に重点を置いた場合、どのようにデッキが組まれるかを考察してみたいと思います。

(a)攻撃力
 攻撃力を重視した場合は、ブラックキュレムEXを中心として回していると思います。このスタイルであれば、いかにして早く相手のEXをブラックバリスタで落としきれるかがポイントになるのではないでしょうか。あとは、時々6,7エネのケルディオEXが攻めれば十分だと思います。ただ、攻撃力を取るとどうしても他の型に重みをおいた場合と比較して事故が多く発生してしまう問題も付き纏います。

(b)耐久力
 今の環境下では、スーパーエネルギー回収により1枚のグッズで大量にエネルギーを回収できるようになりました。そのおかげで、ダメージを負ったケルディオEXにまんたんのくすりで全回復し、エネルギーを回収して130ダメージを出すことも可能です。よって、耐久に振る場合は、弱点を突かれにくいケルディオEXを中心としてまんたんのくすりとスーパーエネルギー回収をうまく使っていくスタイルになると思われます。また、ポケモンセンターにより相手からのダメージが少なければ、駆けつけるを駆使して毎ターン20回復でき長持ちします。これも、ケルディオEXがいないと成し得ませんね。ただ、耐久型の場合は相手の攻撃力がすごいとあまり意味なくなってしまうので、上手く戦う必要もあります。

(c)安定性
 事故を少なくすることは、デッキを作るうえでは重要なことですが、デッキパフォーマンスは若干下がります。リスクを持って高機能化するか、安全策で行くかは好みの問題ですが、もし、安定性を重視したカメックスのデッキを組むとしたら、ブラックキュレムEXは外すべきだと思います。それよりも、確実にプラン通りにケルディオEXやキュレムPsで戦えるようにし、物足りなくなったらキュレム(BW2)や非EXのケルディオを刺すぐらいがちょうど良いと思います。また、(1)でも書いたように、マルマインやロズレイドのような展開を助けるポケモンがいれば、レベルボールのみで重要パーツを集めやすくなりデッキを安定に回しやすくなると思います。

(d)適応力
 全てのデッキに勝てるデッキは今のところ残念ながら存在しないため、どうしてもムリな相手は予め想定しておく必要があります。しかし、それは少ないに越したことはありません。苦手な相手が少なければ少ないほど有利に戦えます。そのため、先ほど挙げた3種類のポケモンの量を抑えて様々なポケモンを入れると、適応力が上がり幅広く戦えます。例えば、ギギギアルに負けたくなければ、それを突破できるようにビクティニを入れるべきですし、超タイプの相手に有利に戦いたければば、ミュウツーEXを入れるのもありです。しかし、適応力に振った場合も来て欲しい時に望みのカードが引けない状況に出くわすことも多いので、回すテクが問われると思います。

(e)特殊型
 オーソドックスなデッキとはかなり違う振る舞いをするデッキです。一例として、カメックスのデッキに凍てついた町を入れることを考えます。この場合、ケルディオEXやブラックキュレムEXを使うとエネルギーを張るたびにダメージを負ってしまうので攻めるには不向きですが、キュレムPsにはこのような痛手を負いません。よって、キュレムPsを中心に攻めていき、複数立てたり軽石ケルディオを利用したりして繰り返しブリザードバーンを撃っていくようになると思います。また、BW1のレシラムやゼクロムに敢えてダメージを乗せて逆鱗で相手のポケモンを倒していくことも出来ます。これは、ミラーになるととても有利に動けると思いますが、相手がプラズマ団ばかりで誰も凍てついた町によるダメージを受けない対戦になると不利になります。このスタイルに限らず、特殊型は個性が出せる分、調子のアップダウンが激しい欠点もあります。



ここまでの話をまとめると、どのスタイルにも良し悪しがありますが、”カメックスを使って何をやりたくて、何に重みを置き、何を使う”かは扱う人次第です。ゆえに、”カメックスとケルディオがいればカメケル”と決め付けずに、相手の狙いを見極めたうえで、「カメケルに勝ったー、負けたー」と言った方がいいかもしれませんね。
ちなみに、私は(a)に重みを置いています。


(4)トロピカルビーチ
 
 強いカメックスといえばトロピカルビーチ入り。そう言われるほど有名なカードですが、ハワイの世界大会で配られたレアカード。最後に、このカードについて思ったことを書きます。

 トロピカルビーチはスタジアムで自分のターンを終了する代わりに7枚になるまで手札を引けるカードです。このカードがあれば展開スピードはもちろんのこと、フウロで呼び出せるため安定してデッキを回せます。カメックスの場合、1ターン目に攻撃することは基本的にはありませんので有効活用でき、相手が有利に働くスタジアムを除外することも出来ます。

 あるとき、ビーチ入りカメックス対ビーチなしカメックスではないほうが有利だという情報を得ました。それは、ビーチが入らない分他のカードが入るからだそうです。それを聞いたときに、じゃあ空きスペースには何を入れるのかな?と疑問を持ちました。私の勝手な推測ですが、結局のところビーチが抜けたスペースは展開するためのサポートではないでしょうか?もし、この仮説が正しければ、ビーチがあるほうが私は有利だと思います。

 先ほども述べましたが、この手のデッキは先にカメックスを育て、ケルディオたちをいかに思いっきり攻めさせるかがポイントです。ビーチを立てる側が先に使うため、まず初めにビーチ入りの方がサポートもうまく使いつつ先に展開します。その後、ビーチなし側がサポートや相手のビーチで展開しますが、サポートは1ターンに1枚のため、 お互いにしっかりサポートが来ていれば、ドローすることに関してはどちらも有利も不利もありません。勝負を左右するのは展開の速さですから、先にビーチの恩恵を受ける方、つまりビーチを張ったほうが有利となるわけです。また、ビーチをない側が使った場合、場にビーチは必ず残りますので、相手が更なる展開を行うのに使う可能性もありますし、スタジアムを変更してしまえばビーチの恩恵を相手だけ受けたことになりますので、ビーチを出した側が有利であることには変わりません。もちろん、引きの強さ等もありますので、ビーチ側が有利とは言い切れませんが。

 ビーチのスペースにサポが入るなら、事故らない限りドロー面では差は出ません。では、ビーチの良さは?それは、 事故りにくいことだと思います。ビーチ入りの場合、フウロさえ手元にあれば、呼び出してすぐに引くことが出来ます。ベル等の場合は1ターン待つ必要がある分、これはビーチの大きなメリットです。つまり、このデッキにはフウロを多く入れることが出来、ドローはビーチに任せてしまえます。これは何を意味するかというと、安心して何回も山札からグッズを引き出すことが出来、ドローで展開するよりも運要素が少なく、確実に欲しいものを呼び出せるのです。ゆえに、普通のデッキ並みの展開力を持ち、確実性にも長けたデッキが出来上がるわけです。ビーチがあれば上手く行く確率が上がり、勝ちやすくなることでしょう。

 それでは、ビーチがないとカメックスのデッキは成り立たないか、というとそれはまた別だと思います。ビーチは悪魔でアプローチの仕方が変わるだけで、ビーチを使おうがデッキの目的はぶれないはずです。そのため、普通のデッキのように普通にサポートとグッズを入れて普通に回せば、事故率は少々高いですが、普通に回りますし普通にカメックスデッキを楽しめます。ただ、”カメックスのデッキで勝ち進んで、バンクーバーへの切符を掴みたい”という人には必要だと思います。

 じゃあ、ビーチを今から手に入れたほうがいいのか?というと、勝ちにこだわっていない限りはノーだと思います。これに関してはプレイヤーさんごとに意見が変わると思いますが、新作のポケモンXYは今年の10月に発売され、おそらくカードもその環境へ変化していくことだと思われます。このことから、BWの環境で遊べるのは1年少々、大体来年の春ぐらいまででしょうか。つまり、考えるべき問題はビーチのすごさ云々の前に、1年少々の寿命のカードを1枚数万円払う価値があるのかということです。私は1年少々のために買うなら、他の手段を探したほうが良いと思いますが。


(5)まとめ

・カメックスのデッキは十人十色。展開ポケモン、ポケモンの構成によって全く違うデッキになる。
・ブラックキュレムEXは効率良く攻める大アタッカー、キュレムPsは安定さが売りで凍てついた町を恐れない非EXアタッカー、ケルディオExはこの2匹と比較すると効率が劣りリスクがあるものの、安定さと火力を両方を持ち補助にも回れる何でも屋さん。
・トロピカルビーチがあってもなくても本質は同じ。ただ、展開力を保持したまま事故に遭う確率が減る素晴らしいものであるのは事実。別にこれがなくても、カメックスデッキを楽しむことは出来る。

という感じですかね。もうすぐBW9環境になりますが、今のところカメックスはまだ活躍しそうですね。
最後に、この記事を書いていて、目的がしっかりしていて一種一種のカードの役割や存在意義を把握しているプレイヤーがやっぱり強いのかな、と感じました。強い人のレシピは大体一枚一枚の説明が書かれていますし。

ここまで読んでくださり、ありがとうございました。

コメント

かわむらー
2013年2月16日9:43

長文お疲れ様でした。じっくり読ませていただきました。
我が家の亀ケルは完全に耐久寄りに振ってますね!
ただ、耐久を活かすためには一撃されないようデオキカウンターを受けない枚数や輝石の貼る場所など神経を使いますが。
パイロットが乗りこなせてません(笑)

すー
2013年2月18日22:23

>かわむらーさん
 じっくりお読みいただき、ありがとうございます。
 ちょっとした道具の配置やエネの配分ミスで大物が倒されてしまい、耐久型の良さが活かしきれないため、プレイングは少々難しそうですね。しかし、、パイロットの方が優勝している姿を何度も見ておりますので、十分乗れていると思います。w
 また、記憶が正しければ、そのデッキとパイロットの方に勝ったことがありません。是非リベンジをさせて下さい!・・・・・と申し上げたいところですが、勝てそうなデッキが現在手元にありませんので、お手柔らかにお願いします。(^^)

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